研修・教育

専攻医体験談(阿部 健太郎先生/大腸肛門外科)

阿部 健太郎先生
大腸肛門外科

連携病院で研修するために基本的な手技をしっかり学べます

阿部 健太郎先生
前期外勤地:神奈川県

東大外科プログラムに決めた理由

初期研修が東大であったこともありますが、東大病院は連携施設が豊富で手術件数の多い病院がたくさんあるために、東大プログラムを選びました。
3年間の外科研修で、1年ごとに3つの病院をローテートするプログラムも多いと思いますが、東大プログラムは2年半を連携病院で研修するために基本的な手技をしっかり学べます。一つの病院に長く勤務することで上級医からの信頼も得られ、3年目には難易度の高い手術であっても術者として執刀する機会が多くなることも魅力かと思いました。

東大プログラムに決めるにあたり、心配だった点。プログラムの欠点。

連携施設を選ぶ際に必ずしも第一希望の病院で勤務できるとは限りません。ただし、私は第一志望の連携病院に行くことができましたし、ほとんどの人が第三希望以内の病院で研修ができているようです。ですので、「どうしても都内に勤務したい」、と考えている人は都内の病院に3つ希望を出せば、地方の病院に勤務しなければならない、ということはありません。これも関連病院が多いからできることかと思います。

前期外勤の研修の状況

私が勤務した病院は神奈川県に所在しますが、新宿から電車で20分と比較的都心に近いところにあります。都心の病院ではあまり手術件数を経験できないと思われがちですが、同院は「経験を積まないと手術は上達しない」とする方針で、専攻医に積極的に執刀させてくれる病院でした。後期研修中の手術数は助手140例に対して、術者320例も執刀できたことからもお分かりいただけるかと思います。助手よりも術者に特化してここまで多く経験できたことは、後期研修以降において、圧倒的に豊富な経験値になっていると感じています。また、大腸癌の手術についてはほとんどが腹腔鏡手術で行っています。腹腔鏡のみならず、ロボット手術も広く普及している昨今の大腸癌手術の現状を考えますと、大腸癌に対する腹腔鏡手術を覚えるには非常に適した病院だと思いました。
学術分野においても熱心に教育してくださっています。学会発表は、自身で統計ソフトを用いてデータを解析した上で、日本外科学会総会で発表する機会も頂きました。後期研修から学会発表やデータ解析を経験することは、今後に大きく役立つ経験となりました。

研修医の先生にメッセージ

昔は「見て学ぶ」ことが重要な時代もありましたが、大腸外科は腹腔鏡の時代に突入し、腹腔鏡手術の動画を簡単に見ることができるようになりました。その中で大切なことは手術をただ見るだけでなく、手術のどこが難しいポイントなのか知った上で見ることだと思います。
手術のどこがどのように難しいのかは実際に自分で手術を執刀しないと分かりません。私は専門研修の3年間に多くの手術を執刀させていただくことで基本的な手術手技を身につけることができました。また、自分の手術手技の長所や短所も知ることができました。
ひととおりの手術ができるようになった上で、手術を見学すると上達も早いと思います。
専門研修の3年間は手術手技の基礎を作るための大切な期間です。どの組織をどのような力加減で掴んだり引っ張ったりするかは実際に経験しないと分かりません。是非その期間に多くの手術経験を積んでいただき、今後に生かしていただければと思います。

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