外科医を目指す先生へ

留学体験記(大腸・肛門外科 永井 雄三先生/アメリカ John Wayne Cancer Institute)

留学先と留学期間

John Wayne Cancer Institute, Santa Monica, CA, USAへ2016年4月(卒後10年目・大学院4年目)から2018年3月までの2年間。Hoon先生が主催するTranslational Molecular Medicineのラボにポスドクとして留学をしました。

永井雄三

留学の経緯

John Wayne Cancer Instituteは過去にも当科の先輩方が複数人留学されている伝統的な留学先のひとつです。留学のお話は先代の渡邉聡明教授より頂きました。ラボの研究テーマが自分の大学院時代の研究テーマに比較的近かったこと、また他国で生活することへの興味もあり、希望させて頂くことにしました。

留学先での仕事

主としてDNAメチル化バイオマーカーの研究。大学院時代からの研究テーマのひとつであったLiquid biopsyによるLINE-1遺伝子の低メチル化レベル測定の大腸癌診断への応用。また同じくLiquid biopsyによるDroplet digital PCRを用いたmultiplex MSPの系を確立し、Melanomaの診断・治療効果判定への応用を目指す研究を行っていました。

楽しかったこと

とても多国籍なラボでしたがボスをはじめポスドクもテクニシャンの人達もみな親切でいい人ばかりでした。ラボでは時にポッドラックやバーベキューなどもあり、楽しい時間を過ごさせて頂きました。休日は車を運転することが多く、ロサンゼルス周辺はマイナなところまで網羅的に観光したのでは、と思います。西海岸の気候や雰囲気も最高でした。連休には国立公園へ旅行に行ったり、サンディエゴ、サンフランシスコ、ラスベガスなど周辺の都市まで足を延ばしたりしました。

永井雄三

大変だったこと

単身で渡米したので生活の立ち上げにはかなり苦労しました。右も左もわからず初めに契約したアパートではあらゆる住宅トラブルを経験しました。研究面では良い結果も悪い結果もあり、勝負のdigital PCRで望む結果が得られなかったときはバスに乗ってサンタモニカの海を見に行ったこともあります。英語では苦労をしました。英語力はある程度向上したとは思いますが、早口のBiostatisticianの英語は最後まで聞き取れず、言語の才能の限界を感じました。

これから留学を考えている先生へ

現地で生活を立ち上げ、異なる文化・人種とどっぷりと交流し、研究だけに頭を使う日々は、人生をトータルで考えればプラスの面が多いのでは、と思います。若い先生方には機会さえあれば是非お勧めしたいと思います。なお言葉の壁はそのまま研究の壁、信用の壁となってしまいます。英語に関しては周到な準備をすすめます。

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