研修・教育
専攻医体験談(髙橋 秀臣先/心臓外科)
各外科にspecialistがいて、academicにも非常に秀でています
髙橋 秀臣先生
前期外勤地:東京都新宿区
東大外科プログラムに決めた理由
初期研修が東大であったこともありますが、自分の学年から新専門医制度が始まることも大きかったと思います。そして東大外科プログラムは協力病院も多く、都内・都外に多くの質の高い有名病院があり、それらが選択肢となります。
そして東大は各外科が連携しており、外科専門医取得のために不足しがちな心臓大血管、小児領域などをカバーでき、必要症例数を満たすことが出来ます。また一般外科の期間が長いということも魅力でした。心臓外科医として今後生きていく際に、消化器外科領域や乳腺外科領域、呼吸器外科領域、外傷領域で学ぶことも多いと考えたからです。心臓外科志望の若手では、dutyを最小限にこなして早期に心臓外科領域へ進みたがる傾向が強いように感じますが、外科的にすべてが勉強であると思います。
また言わずもがなacademicに非常に秀でています。
東大プログラムに決めるにあたり、心配だった点。プログラムの欠点。
各外科への正式な入局が遅くなる、という懸念を聞いたことがありますが、自分自身では特に感じるところはありませんでした。また希望の研修病院に行けない、ということも周りではあまりなく、ほぼ希望の病院で研修を行えているように思いました。
前期外勤の研修の状況
基本的には病棟業務、手術、当直、オンコールなどでした。
理事長含め、各科東大の関係者が多い病院だったので非常に働きやすい環境でした。
消化器外科・乳腺外科・心臓血管外科・呼吸器外科がそれぞれactivity高く診療しており、各科優秀な指導医の先生方にご指導頂きました。
具体的には消化器外科15ヶ月、乳腺外科2ヶ月、呼吸器外科5ヶ月(+2ヶ月大学)、心臓血管外科8ヶ月(+4ヶ月大学)といったローテーションでした。
後期研修中の手術数:556例(執刀症例数193例)。
執刀症例:虫垂切除/胆嚢摘出/肝切除/人工肛門造設/ハルトマン手術/大腸切除/小腸切除/幽門側胃切除/胃全摘/食道再建/乳房全摘/肺部分切除/肺区域切除/肺葉切除/膿胸手術/血腫除去/透析シャント造設/シャントPTA/様々な末梢血管バイパス/静脈グラフト採取/静脈瘤手術/人工血管置換(Y-graftなど)/外科的ECMO装着/外科的ECMO抜去/人工心肺確立 etc
また、食道癌の領域で日本外科学会の総会でも発表させて頂く機会がありました。
研修医の先生にメッセージ
自分自身はあまり悩まずに東大外科プログラムに決めましたが、後期研修をどこでどう過ごすかは、非常に悩ましいと思います。
今後の外科医人生のキャリアプラン、目指す志望科や理想像、立地や給料など、皆さんご自身の中ではきっと優先順位があると思います。東大外科プログラムには各外科にspecialistがいて、academicにも非常に秀でています。各外科も連携しており、関連病院の選択肢も多く、他に類を見ない魅力的なプログラムです。
仕事である以上、ましてや外科医として精進するからにはストレスフリーなものとはなりませんが、ご一考頂けましたら幸いです。